3.自然欠乏症候群(山本竜隆・和にブックス PULS新書 2014)

昨年くらいからこの「自然欠乏症候群」という言葉を耳にすることがあり、気になっていたところ、ようやく日本人に よる読みやすい本が2014年12月に出版されました。この言葉は2005年にリチャード・ループが『あなたの子どもには自然が足りない』という 本の中で提唱した造語です。
副題の「体と心のその「つらさ」、自然不足が原因です」が一言で要点を表していますが、その事例や自然が欠乏するとどのような「症状」がなぜ表れ るのか、では自然を暮らしに取り戻すにはどうすれば良いのか、などが述べられ、最後に統合医療についても自身の実践とともに述べています(著者は 医師です)。
私も自然とのふれあい、人とのふれあいが幸せをもたらすと考えており、その「幸せ」にはもちろん「健康」も含まれています。しかし、感覚的なこと だけではなく医師という立場の人がはっきりとこういうことを提唱してくれるのは、説得力が増すのでとても嬉しいです。

2015/01/30
2.とんぼ(チョン・ジョンチョル詩 イ・ グヮンイク絵 おおたけきよみ訳 岩崎書店 2011)

図書館でたまたま見つけて読み、胸に迫るものがあった絵本。
晩秋、野原で死んだ1匹のとんぼの行く末を、美しい絵と、単調で静かな少ない言葉で表現しています。
私も観察会などではよく「葉っぱも虫も土に還ってまた木や草を育てるんだよ」という話をしますが、私たち
人間はどうなんだろう、とこの絵本を読んで改めて思いました。人間は、そういう意味では役に立っていな
いじゃないかと思ってしまいます。もう一つの発見は、韓国が詩の国であるということ。訳者のおおたけさん
が巻末で紹介しています。



2014/10/24
1.バッタ・コオロ ギ・キリギリス生態図鑑 (村井貴史・伊藤ふくお著・北海道大学出版会・2011)

これ以前にはハンディな直翅目図鑑は(多分)無く、「待望の」という感じの図鑑。写真の中心は生態写真だが、科ご と に標本写真や産卵管の比較図などもあり、これも役に立つ。付録に虫の声のCDがついていて、各声の前に種名をアナウンスしているので(妙な機械音 声ではあるが)、本が無くても電車の中などでイヤホンで聞くだけの時にも便利である。私は現場で聞いた虫の声とこれを照らして、かなり虫の声を勉 強した。
使い込んでいるうちにページが取れそうになってきているので、補強しないと。
※写真のインデックスは私がつけたものです。「キリギリス科」や「コオロギ科」などよく見る所につけています。



2014/10/8

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